『スイッチ・オンの生き方』村上和雄
1ページに1トピックなのでとても読みやすい。
遺伝子の基本的な情報からその働きについて、そして素晴らしい人生の生き方についても記されている。
基本的には、気になったところは線を引いているのだけれど、後半は引きっぱなし!笑
心の持ち方というか、為になることは多かった。
遺伝子にはオン・オフの機能があるとのこと。なんとなーくイメージで遺伝子というと固定的な働きを想像していたけれど、外部からの刺激に影響を受け、遺伝子のスイッチが切り替わるらしい。
この点が表題にもなっている通り、本書のメインテーマであろう。四章から遺伝子のスイッチのオン・オフについて述べられているので、遺伝子に関する基礎知識をお持ちの方はここから読んでも良いかもしれない。
オン・オフに関わる環境因子や妨げる要因など、著者の研究生活から得られた項目については本書を読んでいただければと思う。
また、刺激としてのストレスの二面性にも触れており、陰性のストレスと陽性のストレスがあるとのこと。この点については去年一昨年くらいに流行った気がするスタンフォードの教授が書いた本があった気がする(気がするを書きすぎた気がする)。
これは陰性ストレスくんと陽性ストレスくんがいるということではなく、ストレスを受ける僕自身がどう受け止めるかにより変わるとのことだ。
「遺伝子」という単語から学術的な要素もある入門書かなと思っていたが、自己啓発というと語弊があるが、「善く生きる」ということに対する心構えを説いてくださっているように思える。
遺伝子がもつ価値のすごさ、そしてそんな遺伝子で構成された僕らのすごさ、だからこそ、それらを生み出してくれた周囲への感謝、ひいては、著者のいう僕らの人知の及ばない偉大な力である「サムシング・グレート」への感謝へつながるのであろう。
面白い言葉であり、胸に刺さった言葉を最後に引用しておく。
『チャンスは、自ら「チャンス」と札をつけてやってくるほど親切なものではない』(本書p118)